なぜこんなにも人は逃避行に惹かれるのか?

逃避行に惹かれだしたきっかけ

そもそもわたしが逃避行や逃亡に興味を持ったのはいつからだったんでしょう?

思い返してはみたものの、それがいつからなのかというのはまったくと言ってもいいほど思い出せません。

「こういう人を好きになることが多いなぁ」と自分の異性のタイプに気づくように、いつのまにか逃避行や逃亡を題材とした映画を好んで見ていることに気づきました。

ただ覚えているのは中学生の時に観た「俺たちに明日はない」が少なからず影響しているということ。

実在した銀行強盗カップルの逃亡劇を描いたアメリカの有名な映画。

当時は映画もそれほど見ていなかったのになぜこの映画を観たのか?

それは「ラストシーンがすごい!」みたいなふわっとした噂をどこかで聞いたことがあったからだと思います。

もっと幼い頃にもきっと映画やテレビや漫画などで主人公が逃げるシーンなんかは見てきたはずなのですが、それらに対しては何かを感じることはありませんでした。

この映画こそが自分の「逃げモノ」好きを意識した最初の作品だったように記憶しています。

わたしが逃げモノに感じる魅力とは

この「俺たちに明日はない」にわたしが魅了されたのは、この中学時代というタイミングも絶妙だったと思います。

その当時中学生のわたしがうっすらぼんやりと抱えていた願望を挙げるなら、

まず1つ目に縛られていたもの(当時は親や学校)から解放されたい、

2つ目に悪いことをしてみたい、

3つ目には好きな人と二人きりになってみたい

「俺たちに明日はない」の中には、当時思い描いていたそんな願望がすべて詰め込まれていたのでした。

ただ日本の田舎の中学生であるわたしが、この映画の主人公に憧れて生き方を変えられるほどではありませんでした。

この映画を観ている時間や観終わってからの数日間こそ「いいなぁ」と思ってましたが、その後の生活が一変するわけではなかったのです。

それ以降も逃亡する内容にこだわって映画を観ていたわけではなく、ただ観たい映画を適当に観ていただけ。

学生時代も過ぎて大人へと成長していく間に多くもなく少なくもない数の映画を観てきたのですが。

ここ最近ついふと思ったのが逃避行、逃亡に関する作品に今でも自分が強く惹かれているということでした。

逃避行や逃亡に惹かれている人は多いはず

まるで自分だけが逃避行や逃亡に興味を持っている少数派のフェチのように書いてきましたが、わたしはけしてそういうわけではないと思っています。

「好き」とまでは口にはしないけれど、ある程度多くの人が魅力を感じるジャンルなのでは?

何かから逃げたい状況って誰にもあるだろうし、逃げないにしても逃げた先を想像したことがあるなんて人も少なくはないはず。

またその逃げたいと思う対象というのは仕事や勉強や人間関係など人それぞれ。

思いっきり深刻な問題を抱えている人は当然それから逃げたいと思うだろうし、自分のようにたいして逃げたいものはないという人にも退屈な日常という逃れたい対象をしっかりと持っている可能性があります。

そしてそんな願望を少しでも叶えてくれるのが旅行だったりスポーツだったりの、現実逃避イコール趣味にあたるでしょう。

それが自分の場合は映画であって、その映画の中でも特にストレートに現実逃避に直結しているのが逃避行、逃亡が題材の作品というわけです。

なので逃げモノの映画は老若男女関わらず幅広い層をターゲットにしていると言えます。

「逃避行の映画」が好きと言えばちょっと変人に思われる不安はありますが、むしろ定番中の定番のジャンルで何も負い目を感じることはないのです。

普通すぎて恥ずかしいほどですよ。

多くの人が魅力的に感じる理由

上で挙げた中学時代のわたしが持っていた願望を聞いてどう感じました?

あれって少なからず誰もが抱えていたものじゃないですか?

結局あったんですよ、根っこに。

多くの人の心の奥に根付いていたんですよ。

そしてこの国で平凡に働きながら生活するということは、ただそれだけでも「解放されたい願望」を育てていることを意味します。

逃避行や逃亡を扱っている「逃げモノ」作品に惹かれるのは、当然と言えるのです。

というのがわたし個人の意見であり少々強引な当ブログのプレゼンでした。