逃避行に感じるロマン

逃避行の最大の魅力

逃避行の魅力を一言で挙げるならば、「ロマン」という言葉に尽きる。

逃避行にはロマンがある。

それこそが、逃避行という行為に多くの人を惹きつけられる大きな理由になっているとわたしは考えています。

でもなんでしたっけ?その「ロマン」って。

今回はそんなお話。

逃避行が持っているロマンがどんなものなのかをじっくりと分析してみたいと思っています。

その前にまずは「ロマン」について考えてみたい。

あれっ!?ロマンって何?

ロマンって言葉、よく使うけどその実態はどのようなものなのでしょうか。

いや、よくは使わないか。

「それが・・・男のロマンさ」って言いますけど古いドラマや漫画の台詞でしか耳にしないような気もします。

実際にこの言葉を使ったことがある人はほとんどいないんじゃないでしょうか。

そういえば吉本新喜劇の島木譲二が「カンカンヘッドは男のロマンや」って言っていたのをよく覚えています。

カンカンヘッドとは一斗缶を持ち上げて自分の頭部に叩きつけるギャグのこと。

それがどうして男のロマンかというのは、他の持ちギャグ(パチパチパンチやポコポコヘッド)に比べると危険というのが理由なんだそうです。

「男のロマン」は女性には理解できない男だけが持っている憧れを指します。

でもこのカンカンヘッド、女性はもちろんのこと男性にもよく理解できないロマンです。

島木譲二だけが抱えているロマンなのでしょう。

「男のロマン」という言葉を聞けば語感から男性の大半が持っているものを表しているようですが、結局のところそれを主張している人個人のロマンの場合が多いのかもしれません。

まぁ「これを理解できる男が本物、わからないのは半人前」という意味でもあるとは思いますが。

なんにせよ、ロマンというのはその人が持っている強い憧れや願望のことなのでしょう。

「ロマン」っていうのはやっぱり「ロマンチック」からきてるのかな?

「ロマン」から「ロマンチック」って言葉が生まれた方が正解っぽいですけど。

「ロマンス」っていうのもありますね。

でもあえて調べません。

世の中のは曖昧にしておいた方がいい場合もあります。

調べた途端、知ってしまったその瞬間に、魅力的じゃなくなったりがっかりしてしまうこともあると思うので。

逃避行が持つロマン

では逃避行や逃亡、かけおちという行動に対して多くの人が感じるロマンっていったい何なのでしょう。

現状をすべて捨てることやまだ見ぬ新しい世界に足を踏み入れることもロマンです。

追ってくる何者かから逃げながらこっそり隠れて暮らすこともロマンだし、犯した罪から生まれた自責の念に頭を悩ますこともロマン。

誰も自分たちを知らない土地で人目を気にしながら愛する人と新生活を始めるのもごりごりのロマンでしょう。

考えてみれば逃避行、逃亡、かけおちの類いはもうロマンだらけなのです。

ロマンだけで形成されている行為と言ってもいいくらい。

そりゃ魅力的だわな。

惹かれちゃうよね。

結局ふわっとしたものなのさ

逃避行に感じるロマンをじっくりと分析してみたいとか上で書いていたくせに、結論が「なにもかもロマン」だって。

なんて期待外れなんだ。

でも考えてみてください。

実際に逃避行を実行してみた場合、思ったほどロマンなどないかもしれません。

ただ虚しいだけで「いったい自分は何をやっているんだろう」って感じるかもしれません。

それこそ期待外れ。

何もかもを失う可能性もあるわけだし。

それでも人は逃避行に惹かれてしまいます。

それこそロマン。

・・・っていう終わり方で、どうか勘弁してください。